JJ1CKNのワークライフ・アンバランス

アマチュア無線などの趣味や日常の出来事を綴っている備忘録です。

1KW免許へ向けて(9)

さて、いよいよ検査当日です。検査はアンテナ工事でいつもお世話になっている、田無タワーさんです。今日はタワーエレベータの修理もあり、同時進行で行います。本当はタワーの状態が気になっていたのですが、当然検査対象の主人公がいないと始まりません。タワー修理の職人さんが到着し、現場の打ち合わせをした後にシャックへ案内です。持ってこられたのは、「ダミーロード缶」「周波数カウンタ」「スペアナ」「電力計」です。個人で手に入れられそうなのは、ダミ缶か、頑張ってバードの電力計でしょうか。Sさんとは幾度も会っているので、別段普段と変わらず気楽に進めていきます。



□問診と確認 
まずは電波障害の問診です。今後の事もあったので、念のため8件調査をお願いしたのですが、他よりも多い?そうです。また、半径500m以内に総合病院があるので、心配されました。ここは調査はしなかったのですが、総通のS氏より、万が一のことを考え、お知らせしておくようにと言われたので、「お願い」の文書を渡しました。また、防災無線も3か所あり、調査して写真等を撮っておくようにと言われていたので、奥さんに協力してもらっています。その旨お伝えしました。次に「変更許可通知書」と「現在の免許状」の確認です。変更申請を行うリグを確認します。 

□スプリアス測定
最初からスプリアス測定です。事前にスペアナを十分温めてから行います。40mから順番に上がっていきますが、細かな周波数指定はありません。最初からフルパワーで計測するのかと思っていたのですが、先ずはエキサイタのみの200wで測定です。この状態では全バンドともほとんど計測されませんでした。続いてリニアをつないで計測。40~20mに若干子供がいますが、規定値を十分下回っていて全く問題ありません。そこから先は驚く結果が出ました。なんと17m~10mは親御さん以外にほとんど見当たりません。「全然ないですね~」と言われたので、不謹慎ながらもスペアナの精度を尋ねたら「1年に1回校正を受けなくてはならず、3月に行ったばかりなんです。検査代がとても高いんですよ」とのことでした。


最後は気になっていた6mです。なんとこれも子供が見えません。あまりに綺麗なので驚きました。念のため、ずっと上まで調べてもらいましたが問題なしです。



6mはLPFが効いているのは間違いないでしょう。ちなみにLPFはサガミエンジニアリング製でとても良い造りなのですが、ここの社長は先だってお亡くなりになり、会社も営業を終了しました。残念な限りです。
さて、最終的には17m以上のスプリアスは基準以下で、ほとんど計測出来ずでという結果でした。全バンドクリアしました。

□出力測定
各バンドのパワーを図ります。最初はエキサイターを200wに設定し、バードの電力計で測定しました。全バンド200wでピタリと合っています。次にスプリアス測定と同じように40mから計測します。あらかじめ、PLATE,LOADの位置をメモっておいたので、即調整できたのですが、調整時の20wドライブで幾度か計測されそうになったので、「はい調整です」「はいフルパワーです」と掛声をしながら行いました。70wのドライブで全域でほぼ1kw。クリアです。この頃、熱を持ったダミーロードから、オイル臭が漂ってきました。

□周波数測定
これもエキサイタ単独とアンプ接続での検査です。アンプを接続して変化するとは考えられませんが、検査ですからアンプの有無でも調べます。100Hz単位で狂っていることもあるそうですが、TS990は全てドンピシャでした。クリアです。

□試験QSO
2局とQSOを行う様指示されました。40mのCWでCQを出されているJA5のOMをコールしました。相手局の運用場所が必要とのことでJCCナンバーを交換しました。もう1局は他のバンドでとのことでしたが、11時だと国内QSOは30mがどうか?ということろでしょうか。しかし、まったく聞こえずです。ちょうど20mでよくQRVされているHSの局が入感していました。
「DXですがどうですか?」「他に無いですし、いいでしょう」と言うことで、軽いショートQSOをしました。運用場所はタイと書かれたのでしょうか。1kWでの国内、DXの初QSO。2局成功でクリアです。

□IMD特性
最後にIMDを測定します。エキサイタ、アンプそれぞれで音声とスマホをジェネレータとして使います。測定は20mのみです。「綺麗ですね」「まったく問題ないです」ということで、検査項目にあるのか判りませんが、最終テストも無事クリアです。この時しっかり控えておけばよかったのですが。。うっかり忘れてしまいました。こちらもクリアです。

□結果
「すべて問題ないですね」ということでオールクリアしました。最後は従事者免許を確認し無事終了です。全工程で約2時間でした。検査項目が思っていたより多かったのですが、しっかり検査して頂いたので逆に安心出来ました。今回の検査で思ったのですが、当然ながら良いエキサイターを使わなければ、どんなに優れたアンプを使っても綺麗な波は出ないわけで、まずはエキサイターをしっかり調べるということも納得できます。もともと問題ない機種ではありますが、基本通りやられていたので感心しました。
総通のハイパワー担当者の方から発信された「新スプリアス」の優しい脅しから解放され、「ほっと」した半面、「どっ」と疲れました。でも、これから先はスプリアス検査は無いと思うと、多少気持ちは楽になります。

□今後
さて、ようやくここまで来ました。あとは書類を総通に送って書面検査となりますが、大異動で混乱している総通からの免許はいつ発行なるのやらです。まあ、慌てることは全然ないので、気長に待つことにします。今晩はビールでも飲もうかな?